《MUMEI》

しかし…それも一瞬のことで、すぐに俺に近づく。

そして…

『……ドス…』

という音とともに腹に何かが刺さる感覚がした。

その後数秒とかからずに刺されているところから激痛が走る。

光輝「……ぐっ…」

だめだ…

意識が飛びそうだ…

でも…

その前に…

伝えたいことが…

こうなったのは…俺の所為だから…

光輝「……ごめんな…」

奏「!」

また表情が変わる…

光輝「…何にも…気づいてやれないで…
   何にも…できなくて…」

奏「………」

光輝「…だから…ただ…一つだけ…
   こんな俺のことは…さっさと忘れてくれ…」

奏「……ぃよ…」

光輝「!?」

今…何か?

奏「…忘れられるわけ無いよ…」

…奏?

光輝「…お前…」

ドウラ「……あ〜あ…
   正気に戻っちゃったか…」

光輝「…?」

ドウラ「まさか…洗脳がこんな簡単に解かれるなんてね…」

いや、俺はほぼ死に掛けてるんだが…

ドウラ「まあ…つまらないから今日は帰らせてもらうよ。
   ただ…次に会った時は覚悟しておいてね。」

光輝「…二度とごめんだ…」

そんな俺の言葉を知ってか知らずか…ドウラは消えるように去っていった…

奏「…光輝…」

光輝「…どうした?」

奏「…光輝……ごめん…」

奏が泣きそうな顔で俺を見ている…

奏「私…光輝のこと殺そうとしちゃった…」

てかまだナイフみたいなものが腹に刺さったままなんだが…

光輝「あ〜…殺そうと…
   現に今…死に…か…け…」

奏「光輝!?」

あれ…?

意識が朦朧と…

あ〜…なんか何も聞こえなくなってきた…

ただ…

誰かが俺の名前を呼んでるような…

そんな中…俺は眠りにつく…






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