《MUMEI》
――まどろみの中で
――鼻先に体温を感じる。
何だかそれが心地よくて、俺はモソモソと更にそこに近づいた。
―――あったけ…
顔を思いっきり沈め、腕を回す。
すると全身がほんわかと暖かくなって俺は頬を擦り寄せた。
―――やっと…
傍に居てくれた。
俺の事優先してくれた………。
「――なが…さ…」
ギュッときつく抱きしめられ俺は言葉を止めた。
――今度は優しく抱いて?
―――大切に扱ってみて?
――最後まで傍に居て?
―――そして心からの…笑顔を…見せて…。
バンッ!!!!
「聖ちゃん!!!!」
「――――――――――――――― …」
バシンッツ!!!!
「う゛あ゛あ゛あ!!」
――一瞬 何が起きたのか分からなかった。
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