《MUMEI》
バイ
オレがいつも救われるのは、大学が朝からある時だ。

由自は渋々オレを解放する。

――しかし、帰ってきたらまた恐怖。

どんなプレイをされるかわからない恐怖に、オレは毎日おびえている。

安いボロアパートなので、バレないように帰ってきて部屋で過ごすなんて不可能だ。

それに、もし課題やレポートがあったとしても、由自は終わるまで待つし、オレもそつなくこなすせいでこの呪縛から逃れられない。



「は……っあっ…あ、んんんっ………っ」

由自が突き上げる度に声が出てしまう。

「俊も慣れてきたじゃん。もう……女ではイケない身体になっちゃった?」

「う……うるせっ!お前こそ女にはそそらなくなったんじゃねぇのかよっ」

「オレ?オレは元々バイだけど」

「お前……バイなの?初耳だぜ」

「でも男は俊が初めてだけどな。ノーマルかと思ってたけど、俊を抱きてぇって思ったから、あ、違うな〜みたいな?」

「みたいな?…って……」
「まぁそんなことは置いといて、続きするよ」

由自の辞書に疲れという文字は無いらしい。

今だって、オレの要望でしばしの休憩を取っていたに過ぎないんだ。

「お……おい」

由自はいきなりオレの息子を口に含み、愛撫を始めた。

乾いた息子を濡れた舌が潤していく。

じきに自ら濡れることになるのに。

「あ……んんっ」

最初はまだ余裕があったが、由自の巧みな舌使いにオレは翻弄されていく。

「ゆ……うじっ!頼むっもうやめて………」

「なんでだよ?」

由自の眼差しがオレに向けられる。

挑発しているのか、目尻が下がってて笑っているのがわかる。

「由自………」

「……ちゃんと言わないとわかんないよ?それに、ずっとこの状態だ」

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