《MUMEI》 予想外彼に 振り回された挙げ句 疲労困憊していた私は‥ 広場のベンチに 腰掛けて‥ 迂闊にも 無防備だった‥。 「ねぇ」 「?」 私が 僅かに 俯いた顔を 上げた時だった。 「‥っ!?」 頬に 柔らかな感触が 当たった‥。 「えへ、楽しかったから、お礼〜」 ひなたは そう言って 笑った。 だが‥ いきなり そんな‥‥。 「苺〜?」 「っっ!?」 彼が 私を見ている。 それだけで どうして こんなに──‥。 「ね、どうしちゃったの?」 「‥‥いや、何だか───」 「ん?」 「お前といると‥‥」 「行こっ」 「!?」 ひなたが 私の手を引いて 駆け出した。 前へ |次へ |
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