《MUMEI》

俺は、 合コンしても、本気で 付き合いたい と思う娘には なかなか 出逢わなかった。

別に 理想が 高い訳じゃなく、好みのタイプが 今風じゃないのかも。


でも、今日は 違った。俺のタイプの娘が 居たよ。

俺のタイプ〜控え目で地味な 幸薄そうな娘。

名前まで 好み、哀しいと書いて 哀 だもんな。

…うん、決めた。…

俺は 哀ちゃんに 近付くと 声をかけた。

「哀ちゃん、って 珍しい名前だね、俺も 変わった名前だけどさ。」

哀ちゃんは ビクッとして 俺を見た。

「はい、よく言われます。」
伏し目がちに そう答えた。

うん、馴れてなくて、新鮮な感じが また いいね〜。ますます タイプだな。

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