《MUMEI》 親の気持ち「おはよう」 「……えっ?!」 たっぷり睡眠をとって目覚めると、私の部屋に咲子さんがいた。 「おはようございます!すみません、私…」 私は慌ててベッドから起き上がり、時計を確認した。 「大丈夫。私が早く来ただけだから」 咲子さんが言う通り、目覚まし時計は… たった今、鳴った。 「? あの?」 「今日は、蝶子ちゃんと二人で朝食食べようと思って」 咲子さんが指差すと、机の上には確かに朝食があった。 「あの、でも、私…」 「着替えなら、後でもいいでしょ? …話があるの」 (何だろう?) 首を傾げる私に、咲子さんは『とりあえず食べましょう』と提案した。 私は頷き、部屋の隅にあった折りたたみ式のテーブルをカーペットの上に広げた。 そこに、私と咲子さんは向かい合うようにして座った。 工藤家の朝食は、和食と洋食を交互にとるスタイルで、今日は洋食の日だった。 「「いただきます」」 朝食を食べる私を見て、咲子さんはホッとしているようだった。 (心配かけちゃったよね) 珍しく咲子さんが無言なので、私は謝るタイミングがつかめないでいた。 前へ |次へ |
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