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《MUMEI》 それから3ヶ月の月日が流れた。勇人は3ヶ月で2500gを越えた。千尋の体調快復にも時間がかかり2ヶ月入院していた。先に千尋が退院し、いつの間にか免許をとった聡に連れられて、勇人に母乳を届ける日々である。そして勇人が退院の日、千尋は大和の墓参りに行った。 「大和、勇人だよ。ちっちゃいでしょ。でも私頑張って大きくするからね。」 そして麻生の両親にも勇人を見せた。相好を崩し、祖父母の顔を見せた。 自宅に帰って来た途端、勇人がぐずり始めた。焦る聡に、千尋は余裕だった。その背中に大和の姿を見た気がした。 「お兄ちゃーん、荷物持って来てー。」 「あ、はい。」 千尋はすっかり母の顔だった。 休学から8ヶ月目、千尋は復学した。学校ではすっかり噂になっていたが、全然気にならなかった。 美紀が相変わらず傍にいてくれる。 「今日も千尋んち行っていい?」 「また?!まだ寝てるだけだよ。」 「いーの、かわいいんだもん。」 及川千尋、高校生。一児の母である。麻生大和と愛し合った確かな証拠として、勇人という、証がいる。大和とのことは夢ではなかった。 青空に向かって千尋は(勇人は大丈夫だよ、大和。夢でいいから会いに来て。)そう呟いた。 前へ |
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