《MUMEI》 声や口調で、気の強そうな女性だとは思っていたが、実際に見ると、やはり外見も気が強そうだ。 いかにも刑事らしいその風貌は、『デキる女』そのものだった。 「別に、誰も乗せないとは言ってないだろう?」 「でも…」 確かに言ってはいないが、さっきの展開からして、断られるのは必至だと洋平は思っていた。 だから遠慮したのだが… 「早く乗りな!」 女刑事はそれだけ言うと、そそくさと車に戻ってしまった。 「いいんですか…ね?」 洋平は不安げに三浦に尋ねると、彼はニコッと笑って言った。 「あぁ見えて、結構面倒見の良い人だから。」 「おい、お前ら!さっさとしろ!行くぞ!」 助手席で踏ん反り返る女刑事は、どう考えても面倒見良さそうには見えない。 洋平と美樹は戸惑いながらも、急いで車に飛び乗った。 前へ |次へ |
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