《MUMEI》

声や口調で、気の強そうな女性だとは思っていたが、実際に見ると、やはり外見も気が強そうだ。

いかにも刑事らしいその風貌は、『デキる女』そのものだった。


「別に、誰も乗せないとは言ってないだろう?」

「でも…」


確かに言ってはいないが、さっきの展開からして、断られるのは必至だと洋平は思っていた。
だから遠慮したのだが…


「早く乗りな!」


女刑事はそれだけ言うと、そそくさと車に戻ってしまった。


「いいんですか…ね?」


洋平は不安げに三浦に尋ねると、彼はニコッと笑って言った。


「あぁ見えて、結構面倒見の良い人だから。」

「おい、お前ら!さっさとしろ!行くぞ!」


助手席で踏ん反り返る女刑事は、どう考えても面倒見良さそうには見えない。

洋平と美樹は戸惑いながらも、急いで車に飛び乗った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫