《MUMEI》
言わなくても
「―――長沢」
「――ん?」
「俺にどうして欲しいのか…答えでたのか?」

「―――――うん」

長沢は腕を突っ張り俺を見下ろしてきた。

すると窓から刺す白い光が長沢の整った顔と、長めの前髪を浮きあがらせた。

――その中にある、
至極真剣な…眼差し。


想いの本気を感じた…、
――カッコイイ…って……、
長沢、カッコイイ……。

目線はそらさなかったが無意識のうちに俺は長沢の浮き上がった太い鎖骨に指先を滑らせていた。
すると長沢にその手を奪われ、引き寄せ、指先にキスをされた。

「―――キザ…」
思わずそう言ってしまう位決まっててカッコよくて…、情けない位俺の心は…
すっかり長沢に奪われてしまった。

「…――俺の傍に居て欲しい、俺だけの聖ちゃんになって欲しい…、俺を……

聖ちゃんの…一番にして欲しい…」


「――――」
「―――――」

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