《MUMEI》
昔むかし…
…昔むかしの 御話…

東洋の島国に 永遠(とわ)という国が あったそうな。


そこの お姫様は お山に降る白雪のように 美しく、名を 白雪姫と言いました。


当時、竹取りの翁さん家の かぐや姫さんと 人気を 二分していたが、永遠の国は いまいちマイナーだったから、あまり知られていない。


白雪姫は、永遠の国の領主である、父(クボウさん)と 二人で 暮らしていました。母は 幼い頃 亡くなったそうな…。


そんなある日、クボウさんは 酒の席で 悪酔いして、スケベ心を出し、年増女に 手を出してしまった。


所が その年増女は 初物で、「嫁にいけぬ。」とクボウさんに 泣きついた。今更な話だが、人のいい クボウさんは 哀れに思い、
本妻にした。


その年増女は 名を ミダイさん と言い、
その日から 白雪姫の 継母になった。


「白雪ちゃん、よろしくね。」


「けっ、年増女。」
白雪姫は 正直者だった。


ミダイさんは 核心を突かれ、怒りに肩をプルプルと震わせた。


「待ちや!この小娘、若いからって 調子こいてると 痛い目見るよ、奥歯ガタガタ 言わしたろかい?」

さすが、年期が入ってます。負けていません、ミダイ様。

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