《MUMEI》 「クロさん?」 「ん?」 翔太が話しかけてきた。 「いっつもやってたんすか?」 「…いや、たまに。」 「はは!!だから多かったんですね!!」 「まさかこれをやらせるとは思わなかったけどね。」 「まぁ…点が取れない時には必要なことですよ。」 「上手くやってくれるといいけど…」 赤高ボールからだ。 「1本取りましょう!!」 (そう。ゆっくりでいい。) パス回し。 「?」 聖龍高校の選手もすぐに気付いた。 (こいつら…位置が高くなってる。) それはサイドのことを指していた。 サイドプレイヤーはシュートを打つ時、奥にポジションを取っている方が打ちやすく確率も高い。 もちろん一概にそうとは言えないが。 サイドにボールが渡った。 ワンフェイントから… 「あ〜、だからクロさんあんま奥に位置取りしなかったんすね。」 1対1。 「それだけが理由じゃないけどね。」 (サイドが1対1?) 「舐めんな!!」 奥へと追い込まれる。 「バカ!!掴め!!」 強引にシュートへ。 「パシッ!!」 シュートフォームから… ボールは相手の腕に当たり、こぼれ落ちた。 「あはは!!やりやがった!!」 「ピー!!」 これは… ディフェンスファール。 シュートフォームに入った選手へのファールは、 7メートルスロー。 「サイドはさぁ、1番ファールがもらいやすいんだよね〜。」 「わざとファールをもらって7メートル。クロさんこすいすね。」 「点が取れればそれでいい。自分が決めなくても誰かが決める。そのプレースタイルやってたらできそうな気がしてさ。試してみたら簡単にできた。」 「ユキヒロ!!」 「ナイッシュー!!」 6対3。 前へ |次へ |
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