《MUMEI》

フィーラ「そう…何か別の能力が…」

ジロム「例えば…どんな感じの…?」

フィーラ「さぁ…そこまでは見てみないことにはわからないね。」

ジロム「そうか…」

フィーラ「あんたは見たことないのかい?」

ジロム「…見たこと………あったな…」

フィーラ「!!
   なんでそれを早く言わない!!」

ジロム「いや;あんまり重要なことではないと思ってな;;」

フィーラ「…それで…どんな能力だった?」

ジロム「言っていいのかどうかわからんが………変身の能力だったな。
   ただ…」

フィーラ「ただ?」

ジロム「女の人になるだけのどうってこと無い能力だったからな…
   確かにEランクらしいといえばEランクらしいんだが…」

フィーラ「…おかしい…」

ジロム「何がだ?」

フィーラ「…いや…なんでもない…
   他には?」

ジロム「他には…か…
   あ、そういえば…」

フィーラ「?」

ジロム「護身用にある物を渡したんだ。」

フィーラ「ある物?」

ジロム「気を練れば刃が出てくる魔力刀のような物だな。」

フィーラ「!!
   アンタ馬鹿か!?
   そんな物渡してどうする!!
   あれはAランクの能力者でも使いこなすにはそれなりの時間が…」

ジロム「最初は冗談のつもりだったんだがな…
   少し驚いたことになってな…」

フィーラ「?」

ジロム「3分ほどで…刃が出てきた。」

フィーラ「!!」

ジロム「たかが2cmだったがな…
   だが…そんな短時間で刃を出せるのは…実例がなかった…」

フィーラ「…どうやら本物らしいな…」

ジロム「お前の言う何か別の能力が確かにあるのかもしれない。
   もしその能力の片鱗が見えたら…」

フィーラ「…もう普通の生活には…戻れない…」

ジロム「…私達のような暮らしは出来るだけさせたくないな。」

フィーラ「……まあね…」

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