《MUMEI》

「だ…れか、来たら…」


「ン?」


俊彦は、チュッと音を立ててから、口を離した。


「こんな…昼間、誰か…」

「来ないよ…それに、鍵かけたから。

じゃあ、こっちもいただきます」


「…ッ…」


俊彦は、嬉しそうに、また私の胸の突起を吸い始めた。


「も…ヤッ…」


私が泣いて頼んでも、俊彦は、満足するまで手と口を離さなかった。


そして、ようやく解放された私は、ズルズルとその場に座り込んだ。


「ごめんね。でも、嫌なんだ」


俊彦は、優しい口調で、甘く囁く。


「俺以外の男が、蝶子の胸に、体に触れるなんて。

男だけじゃなくて、夏姉とか、女が抱きつくのだって…イライラする。

昔、何で我慢できたんだろうっていう位、今は、蝶子の事、独占したい。

キスしたい。

触りたい。

舐めたい。

蝶子の中に入りたい。

ずっと…二人でいれたらいいのに…」


俊彦はギュッと私を抱き締めた。


私は、息を整えながら、ゆっくりと俊彦に語りかけた。


「私も…昔、俊彦と一緒にいる女の人見て、イライラしたよ。

商店街の人達、皆綺麗だから、俊彦と誰かが付き合ったらどうしようかって、心配もした」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫