《MUMEI》 (難しいよ〜) 私は水着を着るのに苦戦していた。 「あ〜、もう来てたんだ!って… 蝶子…」 「れ、麗子さん…」 麗子さんは、水着を着ている私をまじまじと見つめた。 バタンッ! 「わ、びっくりした!」 「…すみません」 慌てて扉を開けた琴子は、驚く麗子さんに頭を下げ…無言で、私をまじまじと見つめた。 私は焦って最後のヒモを結ぼうとしたが、背中のヒモはなかなか上手く結べなかった。 そんな私の様子を見て、麗子さんが、『私が結ぶわ』と言い出した。 「い、いいですよ!」 「女同士だし、いいじゃない」 麗子さんは私の後ろに回り込み、背中のヒモを掴んだ。 私が渋々自分の手を離すと、麗子さんが、素早く手を動かした。 「これ、選んだの、俊彦?」 結び終わった麗子さんが、改めて私の水着を見つめて質問してきたから、私は頷いた。 「…危険」 琴子が言うように、私の水着は、上下共に、ヒモがほどけたらあっさりと脱げるような危険な水着だった。 しかも、布の面積が極端に少なかった。 …とりあえず、そのままでは恥ずかしいので、私は白い半袖のパーカーを着込んだ。 前へ |次へ |
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