《MUMEI》

「あ、あの…二人は、どんな…」


「あ、今脱ぐね」

「…私も」


麗子さんは豪快に、琴子はそれに続くように丁寧に、洋服を脱いだ。


「いつから…着てたんですか?」


「「部屋から」」


私より布の多い黒いビキニの麗子さんと、背中がかなり開いている白いワンピースの琴子は、平静と答えた。


(えぇ〜)


水着になるということは、裸になって着替えるという事なのに…


真っ赤になる私に、二人は『別に、近くで見られてたわけじゃないわよ』と、声を揃えて答えた。


「で、でも、…恥ずかしくないですか?」


私は未だに俊彦の家で着替える時に緊張していた。


それは、着替えの途中に俊彦がよく絡んでくるせいもあった。


「「別に」」


(私が、変なのかな?)


きっぱり答える二人を見て、私は複雑な気持ちになった。


「だって、もう裸も見られてるし」


麗子さんの言葉に琴子が頷いた。


「蝶子だって、そうでしょ?」


「そうですけど…恥ずかしいんです…」


消えそうな声で答える私を見て、麗子さんと琴子は顔を見合わせた。


「蝶子はいつまでも可愛いわね」


麗子さんの言葉に、琴子も頷いた。

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