《MUMEI》 「ちょ、ちょっと! やめてよっ!」 「何で?イチャイチャの為に来てるんだよ?」 「だからって、人前で抱きつかないで!」 すると… 俊彦の腕の中で暴れる私に、和馬が『その位いいよ』と言って… 琴子の頬にチュッとキスをした。 「俺達も、イチャイチャするから、なぁ?」 和馬の言葉に、琴子は頷いた。 「俺達も?」 「…当たり前でしょ」 麗子さんは孝太に抱きついた。 「そ…でもっ…やっぱり…」 「蝶子。ここは、皆に合わせてイチャイチャしようよ、ね?」 (『ね?』…って…) 俊彦の顔が、唇が徐々に近付く。 「そ、それより、泳ごう!」 私は、俊彦の口を手で押さえた。 いくらここにいる人達に許されても、私は昼間に人前で…そういう、『イチャイチャする』のは、やっぱり苦手だった。 「ね?…お願い」 私の必死の願いが通じたのか、俊彦は私から離れた。 「…いいよ」 (良かった) ホッとする私に向かって、俊彦は、ニヤリと笑いながら言った。 『泳ぎながらだって、イチャイチャできるから』 ーと。 そして、俊彦と私はプールで延々と『鬼ごっこ』をした。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |