《MUMEI》
やっとこ躰を洗いシャワールームを出る。
バスタオルで躰を拭いているとボクサー一枚の笑顔の長沢が現れ、
「シャワー借りるね」
といいながら俺が朝まで着ていたTシャツとボクサーパンツを俺に渡してきた。
パタンと扉が閉じ…俺は、はぁ…と溜め息を漏らした。
モソモソとそれを着込みバスタオルを洗濯機に入れて、俺は部屋に入った。
▽
「――――」
「――――」
シェスターを膝に抱きながらベッドに座る日高。
シーツがグシャグシャに乱れ所々濡れているそこから寝癖の酷い日高が俺をじっと見つめてくる。
「あのさ、なんか飲むか?」
気まずくて俺は日高に背を向けキッチンに向かおうとするが
「いらね」
「…―――」
「こっち来い」
「―――――」
俺は、はぁと溜め息をつき、そして一回深呼吸する。
「――分かったよ」
俺はゆっくりと日高の隣に行き、どさっと隣に座った。
▽
「俺何しにここに来たンだっけ…」
日高はシェスターの顎を撫でながら言った。
シェスターは喉をゴロゴロ言わせ日高にベタベタに甘えている。
「――――」
「―――俺は佐伯が心配でここに来てよー…、つかお前が寝つくまでめっちゃ心配してたのに…、
まさか本当はオマエらラブラブだったなんてオチ酷くね?
つか俺長沢にベッドから突き落とされるわ、オマエらにセックスの間こんな格好で廊下に出されるわ、散々聞かせられるわで!!
は〜っ、俺って可哀想」
日高はシェスターを抱きしめながら切なそうに嘆いた。
「ゴメンな、日高、本当にゴメンな?」
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