《MUMEI》
乙矢7歳
祖父さん達は当時大きなリストラをして、沢山の人達から疎まれていた。
家の前でデモ活動までしていた人間もいた。

「俺は、気付いていたんだ。姉貴を掠ったあの人間が祖父さん達に恨みを抱いていること……」

俺が彼らの一人とぶつかって怪我して、起こしてくれたんだ。
祖父さんとも親しくしていて、二人が仕事の事で嘖いをしていた。
それが幼いながらも鮮烈に焼き付いて記憶していた。



嗚呼、閉ざされた記憶をこじ開けられる。口から言葉がつるつると滑り落ちる。

「俺と二郎を勘違いしていることも知っていた。」

間違いを訂正するのが面倒だったし、二郎の困り顔が可愛らしくてそのままにしていた。

子供だった。

だから、二郎を守りたかったんだ。






その為に姉貴を犠牲にしてでも。

それがどんな事態を引き起こしたかなんて幼過ぎて気付けなかった。

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