《MUMEI》
帰り道
「そろそろ 帰ろうぜ。唱、佐和。」


「あ、私、職員室に 用があるんだ。先 帰っていいよ。」


「佐和〜、進路の事?」

「うん、唱。ちょっとね、親と意見合わなくて…」


「じゃ 帰るか?唱。佐和、また明日な〜」

「佐和、バイバイ。」

佐和に 手を振り、教室を出る。


帰り道〜

「唱、頭 大丈夫だったか?」


「あ、うん、大した事ない。」
私は ウソをついた。
心配かけたくなくて…

「病院行かなくて いいのかよ?」


「いいよ。」


「なんかあったら、オジサン達に 顔向け 出来ないからな。」


そう、私の 両親は仕事の関係で、別に暮らしてる。


私は 引っ越すのが 嫌で、こっちで 暮らさせて貰っている。


隣の貴士ん家に、何かと世話になっていた。

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