《MUMEI》 結婚話待ちに待った、日曜日。 「聡兄さん!お帰り〜。」 「唱!元気だったか?」 「うん!」 聡兄さんは、私の頭を優しく撫でた。 ふと、貴士に目をやると 元気がない、なんで? 「貴士?どした?」 「唱、あのな…。」 貴士が 何か言いかけた時、 聡兄さんが 口を開いた。 「あ、唱〜。俺 結婚する事に なったから。」 「ウソ…、なんで?」 「なんでって(笑)唱。子供が 出来たんだ。」 そう言って 聡兄さんは 幸せそうな 顔をした。 そこからは あんまり 覚えていない。 結婚相手の 彼女を 紹介されて、貴士の家族と 御飯を食べた。 貴士が 気を利かしてくれて、自宅に帰った。 ズキズキと 頭が 痛んだ。いや 胸が 痛んだのか… …気分が重い、スッキリしない… ズキズキ…ズキズキ…あ〜もう、聡兄さんの結婚なんて 無くなっちゃえ! 私は 寝る前に もう一度 呟いた。 …サトシニイサン ノ ケッコンナンテ ナクナッチャエ!… 私は 深い眠りに 落ちた。 前へ |次へ |
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