《MUMEI》
結婚の白紙
月曜日の朝、貴士が 暗い顔で 家へ来た。


「貴士?」


「唱、兄貴の 彼女が…昨日の夜、死んだ。」


「え?死んだ?」
まさか…私のせい?


青い顔をしている 私に、貴士は 一番辛いのは 兄貴だよ、と言った。


「聡兄さんは?」


「今 彼女の 家に行ってる。」


「彼女 なんで 亡くなったの?」


「駅の階段から 落ちたらしい。打ち所が 悪くて 即死だったそうだよ。」


何故か 変な気分だ。
偶然 過ぎないだろうか?
それとも 考え過ぎなのか?


でも、私は 死 を望んでいない。
自習と 結婚の白紙 を願っただけだ。


貴士に 相談して 見ようか?でも…。


佐和に…?


いや、二人に 嫌われたくない。


私は 悩みながら、教室へ入った。

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