《MUMEI》
盗聴
各部屋にはユニットバスが付いていたが、この別荘には広めの露天風呂があった。


最初は二人ずつ入浴する予定だったが、皆『他の連中がイチャイチャした後には入りたくない』と言い出したので、結局男女別に利用することになった。


まず、最初に女性陣が入る事になった。


私と琴子がアルコールに弱いので、飲む前に入浴した方がいいというのが理由だった。


ちなみに、麗子さんは男性陣に負けないくらいアルコールに強い。


そんな麗子さんは、露天風呂に入りながら日本酒を飲んでいた。


露天風呂は、ひのきのいい香りがしていた。


星も綺麗で、私達三人はゆったりとした時間を過ごし、男性陣の待つリビングに戻った。


「湯上がり蝶子だぁ〜!いい匂い…」


抱きついてきた俊彦からは、ビールの臭いがした。


「俊彦、お風呂、大丈夫?」


「だめかも〜」


「「こら!」」


和馬と孝太が私から俊彦を引き離した。


「ビール一缶で、それはないわよね」


麗子さんがテーブルをチェックしながら言った。


「…嘘つき」


琴子の指摘に、俊彦は沈黙した。


「たまには女同士で飲みたいんだから、さっさと連れてって」

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