《MUMEI》

「も、もう上がるか!」

「だな!」


和馬の提案に、俊彦が同意した。


「逃げるな!」


孝太はそんな二人を引き止めているようだ。


そんな三人のやりとりを聞いて、麗子さんが『そろそろ戻りましょう』と私と琴子に提案した。


私達はコクリと頷き、その場を離れた。


(男の人って、ああいう事話せちゃうんだ…)


私はものすごくドキドキしていた。


「ね、ねぇ、…琴子」


「?」


台所に戻った私は、さっきの和馬の言葉の意味がわからなくて、小声で琴子に質問した。


「『胸で』って…何?」


「…」


琴子は赤くなりながら、意味を説明してくれた。


(それは、私には無理…)


私はCカップで、琴子は…Fカップだった。


『大きいもんね』


(やっぱり、俊彦も大きいのが好きなのかな?)


「…方法はあるわよ」


「な、何がですか?」


自分の胸を見つめていた私は、慌てて麗子さんを見た。


「本当に、蝶子って積極的なのね」


麗子さんはそう言って、私に小声で『方法』を説明した。


「やるの?」


琴子に訊かれて、私は真っ赤になって『考え中』と答えた。

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