《MUMEI》

後半開始から10分が経った。


22対10。


後半だけのスコアを見ると、9対1。


(何て奴らだ…)


9点の内、3点が桜井、6点が二ノ宮だった。


(打ってくるシューターはわかってるのに…、止められない…。)


疲労がピークに達していた赤高の選手達は、ここに来てまさかの8連取を許したことにより、気持ちが切れかかっていた。


「…クロさん?」


「…何?」


「何か作戦は…?」


「…最初に言った。」


「他には?」


「…ない。」


「根性論だけで勝とうとしてたんすか!?」


「3日じゃ何も変わんね〜よ!!技術はな!!でも、どんな気持ちでプレーするかは変えられるだろ!!」


「ん、…う〜ん。」


少し悩んだ挙げ句、翔太は叫んだ。


「お前ら声出せ〜!!クロさんが最初に言ったこと忘れんなよ!!」


「…」


全員わかっていた。


しかし、疲労から声は出ない。


ここに来て、自分たちの人数不足を感じた。


「返事もなしかい…。」


「…しょうがねぇな。」


クロが動いた。


「タイムアウトお願いします。」

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫