《MUMEI》
お供・旅立ち
沙羅は困ったように笑った。



「誰ももう咎めたりしない。捨てたりしないよ。…あ、僕は沙羅。シャラって呼ぶ人もいるけど」

「シャラ?(五)」



そう、と沙羅は頷いた。

でもそこに、不安が見えた。


「でも…人間は先に死ぬー…」


「あー、それね。僕、何かずっと15才の姿のままなんだよね。止まってるみたいで…もう100才なのに……僕自分の生い立ちがよく解んないだ(汗)」


頼りない?と沙羅は笑った。


仲間がいると言うことは、寂しいと思わなくていいってこと。


大切なものができたと言うことは、強くなれる。




僕にも帰る場所はないけれど、仲間がいれば、
それでいい。





「みんな変わんないね、僕も」


懐かしいな。
もう50年もたつんだ。


「何がですか?(三)」

「ん〜色んな事がだよ」

五が水の無空間の端を指差す。


「あ!次の村っ」


1750年代の中国の村?かな。
何か情報があるかもしれない。


「行こうか」


また、一歩一歩歩き出す

お供と一緒に






お供 終

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