《MUMEI》

「ほおっ?随分と変わった暇潰しを 見つけたものよの、姥櫻(うばざくら)。」


「ええぃ、暇潰し等では ないわ。冬風(ふゆかぜ)よ。」


「それと 我が名は 桜花(おうか)じゃ。そう呼べと 言うて おるのに…。」


…こ奴は 冬の風の精霊。わらわを 何かと からかう。


「一本角の鬼の子ではないか? そなた 肥らせて 喰らうのか?」


…バキッ…
「痛いではないか?桜花。」


…ほあぁぁ…ふぇぇ…ん…
「ほれ、見よ。泣き出したでは ないか?
おお、よしよし。」

冬風は、鬼の子を抱き上げ、あやした。


「冬風、そなた 上手じゃのう?慣れておるのか?」


桜花に 鬼の子を 手渡しながら 別に…とソッポを向いた。


…おお、照れておるわい(笑)


…ほええぇ…
お、そうじゃ。腹が空いておるのじゃな。さあ、たんと喰らうがよい。


生気を、与えておると冬風が 尋ねてくる。

「お前、生気を与えておるのか?」


「そうじゃ、それが どうしたのじゃ?」


「大丈夫なのか?弱るぞ、お前。」
そう聞いてきた。

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