《MUMEI》

「どーしたの?…ママ…。」


その時、母親の驚いた声を聞き付けた子供が、リビングに現れた。



「あらぁ、スネオちゃん…。


…私としたことが、恥ずかしいざますわぁ。


…いぇね〜、私が懇意にしてる役者さんが、さっき亡くなったざますのよ〜…」


母親はニュース映像を指差した。



精悍な顔つきの歌舞伎役者が、丸いハメ込み画像となって映し出されている…。



それを見たスネオの表情が一瞬こわばった。



「へぇ…そ…そうなんだー…アハハ――…」



スネオは不謹慎にも他人の死を笑った…。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫