《MUMEI》 そして、私は俊彦に『仰向けで寝て』と頼んだ。 「えっと…何する気、なのかな?」 首を傾げながらも、俊彦は大人しく横になる。 「胸でするの」 私は、俊彦の太ももを跨いだ。 「蝶子?」 俊彦が驚いているのがわかった。 「琴子みたいに大きくないから、やり方違うけど、するの。 俊彦、好き、でしょう? だから…」 私は、上体を屈める。 琴子くらい大きかったら、仰向けでもできるかもしれないけれど、私は、こうしないと… 胸で俊彦自身を挟めそうもなかったから。 しかし、予想外に俊彦自身が大きく、…滑るので、うまくいかず、私は焦った。 「蝶子…もう、いいよ」 「…ごめんなさい」 私が顔を上げると、俊彦は『おいで』と両腕を広げた。 私は、その中にすっぽりおさまった。 「…重くない?」 「全然」 俊彦の腕の中で私がもう一度謝ると、俊彦は、『俺が大きすぎるんだよ』と苦笑した。 「私、もっと大きかったら良かったのに」 「…琴子ちゃんみたいに?」 私が小さく頷くと、俊彦が、『じゃあ、俺が和馬や孝太みたいな方が、蝶子は嬉しい?』と訊いてきた。 前へ |次へ |
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