《MUMEI》 「ねぇ、お腹空いてない?」 「そう言えば、昨日、晩飯食べんかったもんなぁ…」 「何か食べよう?」 取り敢えず中に入り、ハンバーガーを食べる事にした。 「これはあたしがおごるねっ(笑)」 「じゃあ、お言葉に甘えて…」 ハンバーガーを食べ終わり、バイクに向かうと 「はい、これ」 そう言って、昨日撮ったプリクラを渡された。 「ああ、ありがとう」 「そう言えば、私たち、お互いの名前も知らないよねぇ…」 「まぁ、良いんじゃい?ツーリング先で知り合った『人』と言うだけで」 「それじゃあ、何か、淋しいじゃん」 「バイク乗りは所詮一人旅やろ?そんなもんやって(笑)」 「じゃあ、これ…もし香川に来て、気が向いたら連絡してっ」 彼女は、名前と携帯の番号を書いたメモ用紙を手渡した。 「うん、ありがとう」連絡する気は無かったが、せっかくなので受け取った。 「じゃあ、気を付けてねっ」 そう言って、右手を出した。 「お互いにねっ」 がっちりと握手を交わし、お互いの安全を祈り、そこで別れた。 前へ |次へ |
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