《MUMEI》
乙矢転落
姉貴は俺を疑っている。
小さな頃からきっと、俺がイイコの振りをしていたと気付いている。



「姉貴が掠われたショックに苦しんでいた間に俺は悠長に変わらぬ生活を送っていたんだ。」

そして、自分の記憶を隠蔽した。

「違うでしょ。他に言うことがあるんだ。
アンタ、私に隠し事している。
何か重要な事を隠すために私が怒る方へと話をすり替えているんだ。」

そういう勘はいい。
姉貴の目が、真実を映すようだ。








「…………犯ラレ過ぎて頭イカレたんじゃない?」

絶対、言うものか。
口に出すくらいなら死んでやる。

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