《MUMEI》

最後、姉貴は泣いていた。泣かしたのは俺だ。


姉貴は俺が掴みかけた手摺りを掴む。

運悪く階段を踏み外した。
頭から落ちて行く。




悪い偶然が重なった。

衝撃というよりは振動だ。

ブレてすぐ、視界が変わる。



床がひんやりしていた。

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