《MUMEI》

頭の傷が増えた。

それよりも肩や足がかなりキていて、驚く。
一人で起きて歩けなかった。

左手がギプスになっている。全身を支えていたせいで折れる寸前だったらしい。足も黒に近い打撲傷が出来ている。

背中も打っていて俯せで寝ていた方が楽だった。


母さんは姉貴が謝罪に来ないと言って怒りを露にしている。

来ないのは当たり前だ。

俺が姉貴に階段から突き落とされるような発言をしたのだから。

今頃、太郎兄の所にでも転がり込んで愚痴を聞いてもらっているのだろう。

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