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《MUMEI》 ここは、友君が大好きなキャラクターのテーマパークだった。 私以外は年間パスポートを持っていて、年に何度も来園しているらしい。 私は、年に一度、家族で来るだけだったので、毎年その大きさと、人の多さに圧倒されていた。 「体調、大丈夫?」 「はい…」 華江さんの質問に、私は苦笑しながら答えた。 私達四人は今、カラフルな衣装に身を包んだキャラクター達の賑やかなパレードを見物していた。 (何とか…) 私は大きめの帽子をかぶり、荷物も最小限にしていた。 昨夜と今朝の影響で、腰の痛みは少しあるが、友君がまだ身長制限で乗れない乗り物があるので、助かっていたし、パレード中は楽しくて夢中で痛みを忘れていた。 問題は、終わった直後の集団移動だった。 私は、父に肩車されている友君から離れないように気をつけていたのだが… 「ママ〜！」 「えっ?」 急に足に女の子がしがみついてきて、動きを止めた途端に… (行っちゃった…) 父に肩車された友君と、その隣のテーマパーク内で売られているキャラクター帽子をかぶった華江さんは、人波に流されていった。 (後で、メールすればいいか) 前へ |次へ |
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