《MUMEI》

「蝶子ちゃん!」×4


「え?」


そこにいたのは、父と華江さんと友君の三人と


「祐介…さん?」


私が、私の名前を呼んだ四人目の人物の名前を口にすると、隣の美穂子ちゃんが、祐介さんに駆け寄った。

「ゆう介! 歌穂子(かほこ)! ママは?」


「あ〜、今、歌穂子が呼ぶよ」


祐介さんがチラッと隣に座っていた女性を見た。


女性ー歌穂子さんは、すぐに携帯を取り出した。


(高校生くらいかな?)


歌穂子さんは、私より年下に見えた。


美穂子ちゃんは、明らかに祐介さんの、白石家の血が濃い感じがするが、歌穂子さんの目は、…普通だった。


身長は、私よりやや高く、昔の私のように髪が短く化粧や服装に関心が無いような印象を受けた。


数分後。


慌ててやってきた本物のママは、私と身長が同じ位で、ショートパンツにスニーカーという、若々しい服装をしていた。


「美穂子、良かった!」


「ママ!」


美穂子ちゃんは今度こそ、ママの足にしがみついた。

「どうもありがとうございました」


「いえいえ、あの、ところで、皆さんは、祐介さんの親戚…なんですか?」


「やっぱりわかります?」

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