《MUMEI》

“好きだよ”




聞き間違いかと思って、



「は??」



つい聞き返してしまった。





――卒業式も滞りなく済んで、後はもう帰るだけ。


外はあいにくの雨。


友達との別れを惜しむクラスメイトでざわめく教室の中で、
彼―…神崎あおいが呟くように言った一言は、


あたしの空耳としか思えないようなものだった。

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