《MUMEI》

神崎は、


横顔が、おそろしく綺麗な男の子だった。



高校3年間おなじクラスで、


なんと、3年生の間は、ずっと席が隣どうしだった。


…まあ、担任の怠慢で、席替えが殆ど無かったんだけどね。



あたしは授業中、手持ち無沙汰になるたびに



彼の綺麗な横顔を眺めることに時間を費やした。




彼の横顔は、


真直ぐに黒板を見つめていることもあれば、
ぼんやりと前方に視線を落としてる時もあったし、

うたた寝してることもあった。



横顔なのに、表情がいくつもあって
ずうっと見てても、飽きなかった。



…『美人は3日で飽きる』なんて言ったのはどこの誰?ってくらいに。

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