《MUMEI》

…そうだ。



そうだあのとき、



神崎は、笑ったんだ。



あたしに、微笑んだんだ。



あの笑顔を思い出した途端、



神崎の、呟くような『好きだよ』が蘇ってきた。



誰かにいきなり頬を引っ叩かれたような衝撃が襲ってきて、



あたしは、椅子から立ち上がった。



「マキー!写真撮ろー!!」



駆け寄ってくる友達に、



「ごめん、あとで!!」



そう言って、



あたしは、教室を走り出た。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫