《MUMEI》 「…ついさっき気付いたんだけどさ、」 あたしが沈黙を破る。 「あたし、ずっと前からさ、」 神崎の瞳に、信じられないくらいどきどきする。 「ずうっと前から、神崎のこと、好きだったみたい」 神崎の瞳が、大きく見開かれた。 なんだかすっきりしたあたしは、 「いい天気ですねー」 雨降りの窓の外を見やりながら、言った。 「…いい天気だね」 …振り返ればきっと、あの困ったような微笑みを浮かべた神崎がいるのだろう。 それから、あたしたちは向かい合って、 少し照れながら、 きっと、 ものすごく幸せに笑いあうのだろう。 前へ |次へ |
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