《MUMEI》

「もしもし(喜)」

(おっ、怒ってないじゃん)
「もしもし、ゴメン、昨日、ホテルに着いたとたんに寝てしもたからメール出来んかった(笑)
今、昼休み?」

「うん、お弁当食べたとこ」

「ちょうど休憩しよったけん良かった」

「ご飯、ちゃんと食べてる?」

「うん、いろんな物食べたよ。『焼豚玉子飯』がめっちゃ美味かったよ」

「『焼豚玉子飯』???」

「うん、知らんやろ?(笑)これは最高やけん!今度一緒に食べに来よう?」

「うん!行く〜」

「多くて全部、食べれへんと思うよ(笑)」

「頑張って食べるもん!!」

「よし、じゃあ、約束なっ!」

「うん(笑)
で、いつ帰って来る予定?」

「ん〜解らん…なんか、エリカの声聞いたら帰りたくなってきた…」
俺は、こんな言葉を今まで口にした事がなかった。
メールなら言えると思うが口に出しては恥ずかしくて言えなかった。
エリカもそれに気付いたのか
「えっ… …
また、冗談ばっかり言って……」

「別に…冗談じゃないよ。」

「なんか…そんな事言われたら恥ずかしいじゃん…」

「あははっ…
やっぱ…俺、今から帰るわ!!」

「えっ…本当に?」

「今晩、あいとる?」
「うん…」

「じゃあ、いつもの時間に行くから…」
そう言って電話をきった。

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