《MUMEI》

…翌朝…


「母上、それでは 行ってきます。」


風花は 櫻の木に 挨拶をして、冬風と 鬼の里へと 旅立った。


二人を見送る 桜花の櫻の枝が 手を振る様に 風に揺れていた。


その翌年の春…


桜花の、櫻の木の前に佇む 人影。


春風と冬風である。


「春風 どうだ?」


「ふうう……!」
春風は 櫻の木に 暖かい 春の伊吹 をかける。


なんの変化も 見られない。


「やっぱり 駄目なのか。」
冬風が 寂しげに 俯く。


春風は 残念だけど…
と力なく 肩を落とした。

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