《MUMEI》

逃げる僕たち。


ボールは峰田と翔太が持っている。


「クロさん。捕まえますから!!」


椎名が本気だ。


なぜに僕につっかかる?


でも簡単に捕まったら立場がない。


本気で逃げる。


フェイントも入れながら逃げる。


鬼ごっことは思えない本気さだ。


ボール鬼最大の特徴はなんといっても、ボールを持っていれば捕まらないという点にある。


必然的に、鬼はボールを持っている者は追わない。


皆から少し離れた位置まで移動する。


「捕まえますよ!!」


本気の椎名。


その椎名の後ろから、パスが来る。


「残念。」


ボールを持っている者は捕まらない。


このボール鬼。


ただのアップではない。


空いたスペースへ行き、パスをもらう。


ハンドボールの練習に直結している。


クロはそのことを意識して練習して欲しかった。


ハンドボールのボールを使い行うこの練習。


選手たちがその意味に気付くのに時間はかからなかった。

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