《MUMEI》 逃げる僕たち。 ボールは峰田と翔太が持っている。 「クロさん。捕まえますから!!」 椎名が本気だ。 なぜに僕につっかかる? でも簡単に捕まったら立場がない。 本気で逃げる。 フェイントも入れながら逃げる。 鬼ごっことは思えない本気さだ。 ボール鬼最大の特徴はなんといっても、ボールを持っていれば捕まらないという点にある。 必然的に、鬼はボールを持っている者は追わない。 皆から少し離れた位置まで移動する。 「捕まえますよ!!」 本気の椎名。 その椎名の後ろから、パスが来る。 「残念。」 ボールを持っている者は捕まらない。 このボール鬼。 ただのアップではない。 空いたスペースへ行き、パスをもらう。 ハンドボールの練習に直結している。 クロはそのことを意識して練習して欲しかった。 ハンドボールのボールを使い行うこの練習。 選手たちがその意味に気付くのに時間はかからなかった。 前へ |次へ |
作品目次へ 感想掲示板へ 携帯小説検索(ランキング)へ 栞の一覧へ この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです! 新規作家登録する 無銘文庫 |