《MUMEI》
宝井大輔
「……あ、春日くん。ゴメンね。終わったばかりで疲れてるのに」

「イエ、大丈夫です。確かに大変でしたけど……」

「そうだろうね。役者さんという仕事は大変なんだろうな。こうやって、経験したことのない役を演じなければならないんだからね。本当に尊敬するよ」

「そんなことないですよ。オレだってまだまだ勉強中の身です」

「あれで?」

宝井さんは目を丸くした。本当に驚いている様子だ。

「本当に素晴らしかったよ。春日くんも他の方達も……」

「はい。あのアドリブは他の皆さんのお力あっての賜物です。本当に感謝しています」

「君に……言っただろう?君なら何かを伝えてくれるかもしれないみたいなことを……」

「……あぁはい。あの……オレ、やっぱりよくわからなくて…その、演技中はもう考えないようにしてました」

「いや、よく期待に応えてくれたよ。伝わったと思う。まだ撮影終わってないから早すぎると思うけど、本当にお疲れ様。ありがとう。春日有希くん」

「宝井さん……。お力になれたんでしたら、すごく嬉しいです。オレに宝井大輔をさせてくれて、ありがとうございました!」

――本当に…嬉しかった。

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