《MUMEI》
モチモチ
今日は久しぶりに裕斗とカフェでランチを楽しんでいる。
天気も良くはめ殺しの窓から刺す陽射しが心地よくて気分も躰もふんわかぽかぽか。
おかわり自由のアイスコーヒーはもう既に三杯目だ。
「スイカジュース始めましただって〜、飲んでみね?」
テーブルに立掛けてある長細いメニュースタンドを取りながら裕斗は言った。
「折角コーヒー飲み放題なのにもったいなくね?」
つかここの席に座ったとき直ぐに俺はこれに目がいき脳内で速攻却下済み。
裕斗は席に着くなり携帯弄りだしたから今頃気が付いた。
「俺のんじゃう!」
ぴっと呼び出しボタン押すとウエイターが直ぐに来た。
「スイカジュース二つね!」
「おい、俺は要らないって」
「い〜の!二つ頂戴!」
ウエイターは少し戸惑いながら注文を繰り返し去って行った。
「種の変わりがプツプツおもちだって〜!面白そうだなあ」
メニューの能書き見ながら本当に楽しそう。
「は〜…、お前の奢りだからな?」
「ハハッ!分かってるってば〜」
そしてあっという間にそれはきた。
ワイングラスに真っ赤なスイカジュース。
ストローがかなり太い緑色。
「もちの食感がモチモチでモチうま〜い!」
「は〜、裕斗はつまんないけどジュースはさっぱりしててイイね、おいしい」
前へ
|次へ
作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ
携帯小説の
(C)無銘文庫