《MUMEI》 帰り 〈私〉教室に戻ると、瀬田くんが駆け寄ってきた。 「みつる、お前ダイジョーブかよ!?」 「あ、うん」 答えると、 「バスケ、お前いなかったからボロ負けだったんだぜぇ!?」 と、わき腹に小さくパンチを入れられた。 「ご、ごめん…」 謝ると、 「うわ、キモ!!―…なに、何でそんな素直なの??」 大げさなリアクションを返された。 …椎名くんと喋ったことなんて今までなかったし、 男の子とどんな付き合い方すればいいのか、ホントに分かんないんだよう… 「まあいーや、…それよりさ」 瀬田くんが急に小声になる。 「…?なに??」 「最近さ、やたら蓬田さんに話しかけられんだよね、…何でかな??」 …それ、椎名くんです…!! 「…さ、さあ??何でだろーねー」 棒読み気味になってしまった。 「…う〜ん…気になるなあ」 腕を組み、考え込むような仕種をする瀬田くん。 「―…なんか、いきなりキャラ変わった気ぃすんだよね、蓬田さん」 ギクッとして、慌てて否定する。 「そーでもないでしょ!!あんま気にすることじゃないよ、ね!」 瀬田くんは少し首をひねった後、まあそうだな、と呟いて席に戻った。 …心臓に悪い… 前へ |次へ |
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