《MUMEI》 風…なんなんだ、この状況。 隣でパンを食う棗は、体育座りをしてて …なんか、でかいリスみたいだ。 ピッキングで屋上に入ったらしい棗は、にこにこしながらパンをもぐもぐ食う。 そんなに美味いか。 パンに夢中な棗の横顔から視線を外し、空を見上げる。 …晴れることはわかってた。 でも、何かいつもと違って見える。 ―…そうだ、空は 晴れた空は、青だった。 眩しくて、目を閉じる。 湿気を含んだ風が、いやに心地よかった。 前へ |次へ |
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