《MUMEI》

しずかは、近所の八百屋やスーパーを梯子し、ある果物を買い集めていた…。



その果物が欲しいと依頼するように、しずかは大きな買い物袋の中身を八百屋の主人に見せた…。



「おや、まあ〜…こりゃまた、たくさん買いこんで来たねぇ?


…しずかちゃんは、ケーキ屋さんでも開くのかい?」


八百屋の主人は首を傾げる…。




「うふふ(笑)…そうじゃないわ。


遊びに来たお友達の大好物なのよ。」


しずかは些か奇妙とも思える理由を告げた。



「へぇ〜、そうなのかぁ…」


主人はその理由に相槌をうちながらも、不思議顔を消すことが出来なかった。



――…それにしても量が半端ではない…。



――…まるで馬でも飼っているような量だ…。

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