《MUMEI》
悪意
「おい、大丈夫か?」

ガタガタと震える 私を見て 貴士が 声をかけてきた。


「貴士、私…どうしたら…」


「とにかく、保健室に、真っ青だぞ!唱。」

貴士に 連れられて、保健室へ向かう私に、悪意に満ちた 声が聞こえる。


「なあ、高崎じゃん、アイツの言った通り、相原が醜い姿に なったよな〜。」


「なんか 怖いよな〜、やっぱ 呪いとかかな?」


「え〜魔女って事?」

「人殺し?クスクス…」


「馬鹿、殺されっぞ!」


「醜い姿になっちゃえ〜!なんてな。」


冷たい視線や冷笑…。醜い人間に 吐き気がする。


誰かが、投げた空き缶が、背中に当たる。


貴士が 怒鳴る。
「お前ら、ふざけんなよ。いい加減な噂流すな!」


私は、貴士は 私の話を聞いても 庇ってくれるだろうか?と ボンヤリ 考えていた。

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