《MUMEI》

細すぎず、かと言って筋肉質でも無く。

両手に収まりそうな良いサイズの腰と形の良さそうなお尻、それにすらりと伸びた程良く長い手足。

アジア系にしては透き通った白い肌に、横顔は鼻筋の通ったライン、東洋的な美しい瞳に長いまつげに、少し不機嫌そうに尖った唇。

身長も俺の目線の下に丁度来る程度だった。

テーブルセッティングをしている仕草も、きちんとした性格を表しているかのような完璧さ。

まさに俺の理想を彫刻で形どったような…俺の好みそのものだった。




「レストランで目が合わなかったかな?…弟達の事を、見ていたような気がしたんだが…」

それを聞いた彼の手が、心なしか少し戸惑ってブレているように見えた。

「いえ…そんな事…ないです///」

そう答えてはいたが、彼の顔を見ると頬や耳を赤く染めていた。

「あの子達は美しいブロンドだからなぁ…私もだが」

シャワーを浴びた後なのでリーゼントにしていた前髪が下りて少しだらしなくなった髪が2/3乾きぐらいだったのに今更気が付いた。

(つい…うっかり…)

まだ乾いてなかったブロンドの髪をイジりながら眼鏡のフレーム越しに彼を見ると、彼もこちらを見つめているのが見えた。

「ん…?」
「いえっ///すみません、失礼しました」

彼は俺を見つめていた視線を慌てて外すと、テーブルセッティングを済ませ部屋を出ていこうとしていた。

「待った…」

逃げようとしていた彼の腕をとっさに掴むと、その身体を壁に押しつけた。

「ぁっι」
「いいぞ…触っても…」

怯えている彼の首筋に唇を這わせると、耳たぶを甘噛みしながら、耳元でそう囁いた。

= = = = = = = = = = = = = = = =

「ちょっ…、ンッ、やめて下さいっ/////」

僕は顔を真っ赤にさせて、多分耳まで真っ赤になってるんだろう…。

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