《MUMEI》
なんだ?
ATMの前で、俺は フリーズしていた。


何故か、キャッシュカードが 使えない。
預金はあるはず…なのに、下ろせない。


「なんだ?これ…嘘だろ?」


今日は 土曜日。月曜日まで、文無しかよ。ど〜する、俺。


取り合えず、ポケットの中を探る。お、ラッキー、って千円かよ。あと、小銭が少々。

ま、無いよりましか?(笑)


「やべっ、待たせたよな〜急がないと。」

哀ちゃんの 元へ 走る俺の目に 哀ちゃんと話す二人の子供が見えた。


「あ、鶴野さん。」
笑顔の彼女。


「ごめん、待たせて、あの、この二人は?」

「はじめまして、妹の悲(かな)です。こっちは 暗(あん)。双子です。」


「あ、はじめまして。鶴野と 言います。何年生かな?しっかりしてるね。」


「小学4年生です。」悲の言葉に 暗が頷く。


哀ちゃんが 複雑そうに 笑った。

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