《MUMEI》
貧乏の匂い
「あの、鶴野さん、ごめんなさい、妹達が。」
哀ちゃんが 謝る。


「いや、俺 子供達 好きだよ。遊び慣れてるしね。」


そんな俺の顔を ジーっと見つめる 双子の瞳。


「ん?俺の顔に なんか 着いてる?」


「…貧乏の匂いがする。」
無口だった暗が 呟く。


「うん。今から 大変よ、お兄ちゃん。」
悲も呟く。


「暗、悲、止めなさい。」哀ちゃんが 叫ぶ。


「ブアッハッハッハァ…!!」


「?…鶴野さん?」


「あ、ごめんね。しかし 暗ちゃん、悲ちゃん、大当りだよ、兄ちゃんさ〜財布無くすし、金下ろせね〜し、所持金 1821円しか無いんだわ。貧乏だよね(笑)」


俺のモットーは 正直だ!


「哀ちゃん、そんなで 今日のデートは 公園とかで いいかな?勿論、双子も一緒にどう?」


笑顔で 頷く 哀ちゃん。


「…どう?暗?」
悲が囁く。

「…合格。」
暗が答える。


「そうね。お姉ちゃん、協力するわ。」
悲は 哀に 耳打ちした。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫